.国内における最新の学習資源提供機器利用調査

教育活用実践事例調査(6)
〔教育機器・システム〕 《携帯情報端末》
〔ソフトウェア〕 《インターネットによるコミュニケーションツール》
インターネットを利用した携帯電話

家庭と学校を結ぶ連絡ツール

(1) 機器機能
   Web上に学校・PTA等の各種連絡事項や、年間の各種行事予定および最新の伝達情報を公開するシステム(カレンダー方式の365日分の情報)。目次(INDEX)方式により、タイトル(標題・件名)毎に詳細情報を作成し、公開することができる。
(2) 教育機関の概要
 
栃木県鹿沼市立中央小学校 全校生徒 416名。
   校内LANが構築され、地元のCATVとインターネットが接続されている(以下は、本小学校の事例)。
茨城県下館市社会福祉法人睦福祉会(いずみ保育園) 全児童 72名。
   ディサービスと保育園を併設した施設である。PCはダイヤルアップにて回線が接続されている(以下は、本保育園の事例)。

(3) 活用目的
 
共働きの世帯が多く、勤め先とのスケジュール調整により学校の行事活動に参加ができる。また、台風・大雨・降雪等登下校時の家庭との連絡手段に活用。開かれた学校づくりを行うための地域住民への情報発信とコミュニケーションの向上に役立てる。
保護者が、家庭を離れていても、1つの情報で、保育士と保護者との相互の連絡・予定が分かれば、保育園の行事などの事前の準備にも役立つことを目的として情報を発信した。行事等も多く、紙による通知の補完に役立てる。

(4) 活用概要・対象者
 
平成14年6月より、栃木県鹿沼市立中央小学校のPTA保護者および教職員の携帯電話所持者を対象に、学校・PTA・スポーツ少年団等の年間行事予定や連絡事項および最新伝達連絡事項等を学校のインターネット接続パソコンから情報を入力し(写真1)、携帯電話Web上に公開した。
    写真1・情報の入力。操作が簡単で作業がしやすくなった
いずみ保育園に平成14年12月にシステムを導入し、保育園情報や併設のディサービス・児童館・子育て支援センター等の情報についても、連絡事項や各種の予定を入力し公開している。
(5) 実践内容
 
台風・大雨・降雪時の登下校時刻の変更連絡および休校情報や集団早退下校の連絡。遠足、宿泊学習、修学旅行やスポーツ大会結果等の現地からの生の情報・レポート。運動会等の開催有無情報等。
ディサービス、児童館、子育て支援センターの毎月の行事予定と詳細内容。お迎えバスの連絡(写真2)、遠足の連絡情報、緊急時の連絡、不審者の防犯情報等。
    写真2・お迎えバス到着を確認中

(6) 学習効果
 
今までは保護者への連絡は、すべて紙ベースによる通知方式や至急時の電話連絡網にて情報の発信を行っていたが、今回のシステムを導入し、携帯電話との併用により情報の確認が正確・容易になった。
 更に、近隣校の運動会情報や開催有無についても情報を発信し、近隣校とのコミュニケーションにも大いに貢献した。携帯電話サイトには、リンク集として他の情報もリンクできるので天気予報やニュース等を簡単に見ることができ、一部の保護者ではあるが大変喜ばれた。
 また、このリンク集にアンケートも載せることができ、今秋運動会のアンケートを実施し、「保護者の要望が確認でき、次回の運動会運営の参考になった。」との意見があった。
 今まで、パソコン上のホームページを自分で作成し、公開が面倒であったため頻繁に更新できなかったが、このソフトを導入し、携帯電話ホームページが簡単に入力でき公開が簡単になったと大変喜ばれた。
 また、保護者の方にも連絡情報が、即見られるので保育園のスケジュールやイベント等の準備の手配が楽になったとの意見があった。

(7) 利用可能な活動と利用上の留意点
   正確な情報が伝達可能である。正確性を要するため、曖昧な情報は流さない。個人情報に関するものは流さない等の留意が必要である。
 このシステムは、学校関係者・保護者等のみの公開に限定することができる、認証システムを組み込んでいる。

(8) 報告者
   栃木県鹿沼市立中央小学校長 鈴木 伸之
 茨城県下館市社会福祉法人睦福祉会(いずみ保育園)理事長 栗原 嘉之

(9) 資料提供
   株式会社NTTドコモ http://www.nttdocomo.co.jp/
 機器型名 ケータイおしらせボード