2 訪問調査

松本市教育文化センター
調査実施日 平成14年10月24日
調査対応者 太田 宏(松本市教育センター指導主事)

施設の概要
  施設名 松本市教育文化センター   開設 昭和58年10月1日
  設置者 松本市  所 長 川上百合子
  〒390-0221 長野県松本市大字里山辺2930−1
  tel:0263-32-7600 fax:0263-32-7604
  e-mail: kyoubun-ctr.matsumoto.nagano.jp
  ホームページ http://www.city.matsumoto.nagano.jp
  交通機関 JR中央本線 松本駅下車「入山辺」行きバスで約20分
    「里山辺出張所」   下車 徒歩1分    
    車 長野自動車道松本インターから約20分 

1.研修の内容・方法に関して(一般的事項)
 松本市教育文化センターは、教員や一般市民を対象とした視聴覚メディアに関する研修及び情報教育に関する研修、プラネタリウムや科学博物館などを利用した児童生徒の1日学習など、多彩な研修を実施している。
 また、中学生対象のパソコン学習や視聴覚メディア学習を研修カリキュラムに位置付け、センターでの学習と、各学校に出向いての出前研修を学校の希望に応じて計画的に実施している。

【参考】
 ちょうど、センターを訪問したとき、市内の中学校3年生が、映像メディアの学習をしている場面に出会ったので参観させてもらった。
パソコンを学習する学級は、マルチメディアツールの使い方の学習を行っていた。映像メディアを学習する学級は3学級あり、グループでシナリオを作り、ビデオカメラでロケーションを行う学級、すでに撮影が終了した学級は、それぞれグループに分かれてパソコンを使って編集し作品づくりを行っていた。
 もう、1クラスは、映画鑑賞の時間であった。
一見、情報メディアの学習、映像メディアの学習と別々に行われているようであったが、それぞれの学習の結果を統合して、地域映像コンテンツづくりの学習ができるように計画されていた。
また、ビデオによる映像づくりの学習も、パソコン等の情報メディアのスキルを中心とした学習と両立させたメディア教育となる指導計画となっていた。

2.研修の企画・内容の決定に関して
・研修を企画する際は何を参考にしているか?
センターの専門指導主事が、他のセンター等の資料を参考にしながら、松本市の実情を勘案し企画立案している。

・「視聴覚教育メディア研修カリキュラムの標準」参考にしたことがあるか?
「視聴覚教育メディア研修カリキュラムの標準」があること自体知らないので、視
聴覚メディア研修の内容を決めるためには、研修の際に行うアンケート等を参考に
したり、市の教育研究会等の要望からもヒントを得て作成している。

3.予算措置に関して
・視聴覚メディア研修の予算はどうなっているか?
ITがらみの予算で、一応は現在の研修をまかなえる程度であり、今後も厳しいが同じ程度の予算を確保するように努力している。
また、研修に係る人件費等は、センター職員とボランティア指導員など外部の協力を得て行っているので、いまのところ大きな問題はない。

・研修に使う機器等について問題はないか?
視聴覚メディア関係の研修に使う機器等は、多少古いものも含めてではあるが、現在の所、研修上問題はない。

4.研修の開催回数などに関して
・視聴覚メディア関係の研修はどのくらい行っているか?
視聴覚メディア関係の研修は、学校教育と一般市民向けを含めて、年間18講座程度実施している。内容的には、操作技術も含め、使い方を中心に組んでいる。
研修回数については、現在の状況から考えて、適当な回数だと考えている。
冒頭に申し上げたように、センターに来て研修するケースと、各学校へ出向いて行う出前研修の二つのケースがある。

5.広報・周知の方法に関して
・受講者の募集や研修内容の広報はどのように行っているか?
学校教育の場合は、年間研修計画表を学年当初各学校教職員全員に配布し、年間あるいは学期ごとに申し込みを受けるようにしている。
一般市民については、センター窓口に資料を用意しておくが、市広報等を通じて情報を流し、一週間前まで申し込みを受け付ける仕組みになっている。

6.研修のねらい(目標)に関して
・研修を行う場合、その内容についてはだれが決めているか?
講師任せにしないで、研修のねらいを研修担当者から話して、研修企画に添って、研修をしていただくようにしている。
また、受講者にも、研修の意図やねらいを、資料等により理解して参加してもらうようにしている。受講者は、松本市内にこだわらず、長野県内すべての市町からの研修申し込みについても受け付けるようにしている。

7.研修の内容に関して
・「視聴覚教育メディア研修カリキュラムの標準」を改正する場合の意見はないか?
とくに「視聴覚教育メディア研修カリキュラムの標準」を意識していなかったので、どれが標準に該当するのかわからないが、映像関係として、マルチメディアコンピュータ・TPづくり・ビデオ撮影・ノンリニア編集・スタジオワーク等の操作技術や表現技術、ハイビジョン・映画の鑑賞等を研修できるよう組み合わせて欲しい。

8.設備・機材の確保の状況および利用の形態に関して
・視聴覚機器・教材等について問題はないか?
とくに、受講者から希望がない限りは、現状の施設設備で支障なく研修を行っているが、現在の問題は、プラネタリウムの老朽化で、何とか新しいものと入れ替えたい。
冒頭にも述べているが、プラネタリウムは、単にプラネタリウムとして使うだけでなく、視聴覚的なメディアとして、いろいろと工夫応用をしている。

9.研修担当者および講師の配置に関して
・研修を行う指導者等はどのようにしているか?
専門の担当指導主事が企画から指導までを行っており、必要に応じて、外部からボランティア指導員の協力を受けるようにしている。

10.受講者の内訳と定員確保の状況に関して
・研修受講者の募集はどのように行っているか?
機材や指導者の関係から、募集定員を明示している。
とくに受講者集めに苦労はしていないが、他の研修施設と同じようにIT関係の応募者が多い。

11.研修の進め方に関して
・研修を進める上でとくに留意していることはなにか?
当然、理論も大切であるから講義も行うが、むしろ本センターでは、使い方実習にウエイトをかけた研修を行うような方針であり、その線に沿った企画を立てている。

12.研修の評価に関して
・研修の評価についてはどのような方法で行っているか?
研修の評価に関しては、特に評価表と言うようなものはなく、研修終了後アンケートを取って、研修企画の参考資料としている。

13.次年度以降の研修計画に関して
・次年度の研修計画を立案する上で問題はないか?
とくに大きな改善を行う予定はないが、予算的な問題もあるが、プラネタリウムの入れ替えが実現すれば新たな企画を考えている。

14.現在の「カリキュラムの標準」に関して
・現在のカリキュラムの標準について 
冒頭述べたように、「視聴覚教育研修カリキュラムの標準」そのものについて、見ていないのでコメントできない。

15.新・「カリキュラムの標準」の策定に関して
・新しい視聴覚教育研修カリキュラムの標準について意見があれば
「視聴覚教育研修カリキュラムの標準」については、なにも情報がないので具体的な意見は述べられないが、いずれにしても、研修を企画立案する際には、参考となるものが不可欠なので、よりどころとなる研修カリキュラムの標準が、作られれば、効果的な研修を行うのに役立つと思う。

[松田  實]