はじめに

当協会におきましては、平成14年度文部科学省の委託を受け『「視聴覚教育メディア
研修カリキュラムの標準」の改正に向けた調査研究』事業を実施いたしました。

ご承知のように、教育メディアが教育・学習方法の改善充実に果たす役割は大きく、そのためには学校教育や社会教育における教職員の教育メディアに関わる資質・能力の向上を図ることは極めて重要であります。このため、文部科学省(当時、文部省)では、国、都道府県及び市町村の各段階において「視聴覚教育研修」が適切、かつ効果的に実施されるよう、昭和48年4月に「視聴覚教育研修カリキュラムの標準」を示しました。

その後、平成4年3月にこれを見直し、「視聴覚教育メディア研修カリキュラムの標準」(以下「標準」)を定めました。それから約10年の時が経過し、これからの学校教育及び生涯学習に、従来の視聴覚メディアと最先端の各種視聴覚メディアを有効に活用した教育・学習を展開するためには、現在の状況に沿った研修内容を盛り込むことが必要かつ重要であると考えます。

そこで、現行の「標準」の研修内容について見直し、高度情報化社会に対応した「標準」の改正に向けた調査研究を実施し、その方向性について示すことを目的に、「調査研究委員会」を組織し、現行の「標準」の実施状況や、改正への意向等について、訪問調査ならびに質問紙調査を通じ、実態を把握するとともに詳細な分析を行い、今般その結果を報告書にまとめたものであります。

 これらの調査で得られた情報ならびに分析結果は、今後、具体的に『「視聴覚教育メディア研修カリキュラムの標準」の改正』を検討するうえで、貴重な資料となることを確信します。

本調査研究にあたり、ご協力いただいた各施設の関係者各位にお礼を申しあげますとともに、今後、「視聴覚教育メディア研修」の更なる充実をお願いするものであります。

 平成15年3月
本委託調査研究委員会
座 長  中 野 照 海
(国際基督教大学名誉教授)